この間、本を読んでいて良い一節があったので引用。
世の中、高いものと安いものってありますよね。
安いから悪いというわけではありません。
例えば服。
ユニクロは安いですけど品質もそれなりなの?と言われればNO。
耐久性なんて申し分ないし、機能性も十分。
デザインもシンプルイズベスト。
僕も日常的に着ているし、何も不満に思ったことはありません。
ではでは、服はすべてユニクロかと言われると、それも答えはNO。
僕はパタゴニアが好きです。
昔から好きです。
時代に影響を受けないデザイン、多少無理しても壊れない耐久性、企業のコンセプト。
なんて格好良いこと言ってますけど、一言で言うと『着ていてよりテンションが上がるから』です。
パタゴニアを着たから健康になるわけでもないし、仕事がはかどるわけでもありません。
だから決して役に立っているわけではないんですよね。
アウトドアとかスポーツとか、用途が決まっている時は別として・・・
僕はパタゴニアという服を着た時の『テンション』という意味を買っている。
ユニクロはどちらかというと、服として役にたつものとして向き合っている。
おそらくユニクロもこれを目的としていることでしょう。
高級メーカーに立ち向かったところで、結果は見えています。
少しでもリーズナブルに、少しでも良い服を提供したい。
これがユニクロのコンセプトだと思います。
だから役に立つ服として使ってもらえることに、ユニクロは本望ではないかと思います。
サイゼリアの会長、正垣泰彦さんもこう言っています。
『おいしいから売れるのではない、売れているのがおいしい料理だ』
サイゼリアもユニクロとコンセプトが似ています。
少しでもリーズナブルに、少しでも美味しいイタリア料理を提供したい。
特別な日に特別な料理を求めているお客さんをターゲットにしているわけではなく、日常の中で美味しいイタリア料理を食べたいというお客さんをターゲットにしている。
最近はもっとスピーディに食事ができるお店の展開も計画しているとか?
これって人の役に立ちたいというコンセプトですよね。
ではでは自転車の話にいきましょう。
自転車メーカーはたくさんあるし、モデルもさまざまです。
結論からいきますと、一般の人がフラッグシップのロードに乗ることはほぼ自己満足だと考えています。
ドグマ乗っておいて何言ってんだこいつと思われるかもしれませんが(笑)
ピナレロにはラザというモデルがあります。
これでも結構なお値段しますが、ピナレロとしてはエントリーモデルです。
僕のような一般人がドグマと乗り比べても、おそらく差は高が知れていると思います。
でも値段は倍以上します。
そこまでしてドグマを買った理由はどこにあるのか。
ドグマを所有することで得られる高揚感。
人の五感に訴えかけてくるような存在。
それが欲しかったんだと思います。
でもそれって、役に立っているの?と聞かれればNOだと思います。
そうではなく、充実感という意味を買っているんです。
そこに費やせるお金や価値観は人それぞれだと思います。
物にこだわりすぎるのも良くないし、何でも良いというのも面白さに欠けてしまう。
だけど、世の中そんな感じで成り立っていると思います。
なぜフェラーリやランボルギーニみたいな車が市販車として存在するのか。
日本であんな車乗って、どこで走るの?ってことです。
六本木のど真ん中を走った所で、移動にかかる時間はプロボックスと変わりません。
いや、プロボックスの方が速いか?
いや、間違いなく速いな。
多少の段差ぐらい気にしなくて良いし、小回りきくし、何より壊れない。
速さの秘密は『いつも納期に追われている』とかいう名言ありますよね。
あれ上手いなと思ったのは僕だけでしょうか?
すいません、話が逸れすぎたので戻します(笑)
そういうことで、役に立つかどうかの判断基準だけでフェラーリを買う人っていないと思います。
僕はフェラーリに乗れる身分では無いので分かりませんが、おそらくドグマを買った理由とほぼ同じ。
フェラーリでしか得られない意味を買っていることでしょう。
ロードバイクってどちらかというとそんな存在ではないでしょうか。
役にたつ自転車というポジションであれば、あんな高価な自転車必要ありません。
普段使いでは正直乗りづらいです。
ママチャリやクロスバイクの方がよっぽど乗りやすいし便利です。
では、ロングライドや競技思考以外の人はロードに乗ってはいけないのか。
全然そんなことありません。
自分が乗っていて気分が良いならそれでOK。
ルールとマナーさえ守っていれば、何をしようが人の自由です。
ドグマだろうがV3RSだろうが、それに乗ってラーメン食べに行くことに最高の喜びを感じるなら全然良いじゃないですか。
だって、そんな時間の意味を買ってるんだから。
自転車でなくても、何か一つそんな向き合い方が出来るものがあると、人生もっと幸せになるのではと思う今日この頃です(^^)
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