そういえば、ワックスって聞かなくなりましたよね・・・
ガラスコーティングが世に出てきてから、コーティングと言えばガラス。
ワックスやフッ素といった商品が勢いを失ってしまいました。
では、なぜそんなにガラスコーティングが勢いをつけたのか。
まずはその圧倒的な被膜の強さ。
ワックスやフッ素はいわゆる有機質です。
つまり酸やアルカリが苦手と言ったところでしょうか。
酸性雨や一般的な油汚れですね。
虫とか花粉とか・・・
それに対して、ガラスコーティングは無機質です。
一度硬化してしまえば被膜は硬く形成され、そう簡単に酸やアルカリに溶けることはありません。
有機質の弱点だったところが改善されたということです。
これで、世の中のガラスコーティング最強説が出来上がったわけですね。
でもですね・・・
世の中どころか、自然界というものはそう甘くない訳でして・・・
そんなガラスコーティングにも弱点はあります。
コーティング剤は化学なので、無敵なんてものは存在しないのです。
無機質であるガラスコーティングの弱点は、一言で表すと水です。
水分に含まれる、ミネラル類は無機質です。
このミネラル分が同じ無機質同士である、ガラスコーティングの被膜と結合しやすいということ。
お風呂場のガラスをイメージすると分かりやすいかもしれません。
カルキを含んだ水分が、ガラスと結合して真っ白になっていませんか?
あれが無機質特有の汚れです。

車であれば、ウォータースポットやスケールなどと表現されます。
この汚れは中性やアルカリ洗剤では落とすことができません。
固着した無機質の汚れを溶かせるのは酸性の洗剤です。
自転車であれば、汗や飲み物のミネラルが無機質となり、結合する原因となります。
特にこの季節。
自転車に乗っていれば当然汗をかきます。
ヒルクライムをするものなら、ステムやトップチューブに汗が付着します。
ボトルケージ周りには、ドリンクの跡も残るはずです。

これらを長期放置してしまうと、ガラスコーティングと結合してしまいます。

軽度のものであれば、酸性クリーナーで除去できますが・・・
長期放置で完全に結合してしまった場合は、研磨で落とす以外に方法はありません。
これが一番厄介です。
過去にも書いていますが、研磨が出来るのはグロス塗装(艶あり)のみです。
マットは研磨すると艶が出てしまうので、除去する方法はありません。
これがガラスコーティングの弱点。
なんでも無敵みたいな表現をされていますが、決してそんなことはありません。
わたくしも施工者として、これは必ず説明をしています。
これが理解出来ていないのであれば、そもそも施工すること自体が危険極まりないのです。
セラミックやグラフェンなんて商品も出てきていますが、どれも主成分は変わりませんので同じことです。
対して有機質であるワックス(カルナバ蝋)はどうか?

全くとは言いませんが、結合はしないので無機質の汚れは付きづらくなります。
その代わり、有機質の汚れに対しては、ガラスと比べて弱くなります。
では、有機質と無機質の汚れ、どちらが除去するのに大変かという話です。
有機質の汚れはほとんど泥や油なので、中性やアルカリ性の洗剤で除去することが可能です。
しかし、無機質の汚れは先ほども書いた通りです・・・
そう考えると、あながちワックスよりもガラスの方が勝るといった表現も??と思いませんか?
ガラスコーティングは普段の洗車が楽と言いますが、それはある程度綺麗な状態が前提です。
スケールが残るぐらい放置してしまうと、逆に汚れを落とす手段が限られるので、自身で作業することはリスクを伴います。
はっきり言いますね・・・
普段から手入れをしないのであれば、ガラスコーティングはおすすめしません!
多少は汚れやすいかもしれませんが、有機質のコーティングにした方がリスクはありません。
ディテーリングの業界にいれば、誰でも分かることなのですが・・・
汚れで一番厄介なのは無機質なんです。
除去するのに時間がかかるし、重度の場合は除去するのにリスクも出てきます。
さらに、完全に除去をしないとコーティング剤は全くと言って良いほど上には乗りません。
ですから、ガラスコーティングで無機質の汚れを大量に付着させてしまうと、ほとんど再施工という判断になります。
取り扱っている商品を貶しすぎだろって思われるかもしれませんが(^^;;
正直、この業界こういった知識や経験が無いまま世に広がりすぎています。
そして、それを手に取ったお客さんが最後は犠牲になるという図式・・・
ですから、施工店にはしっかり確認をした方が良いと思います。
そして、その時の対応ができる知識と技術があるのかどうか。
明確な回答が得られないのであれば、少し考えた方が良いかもしれません。
気合いや根性などで何とかなるものではないので・・・
特にマット塗装。
嘘偽りなく、一度施工したら落とすことは出来ません(^^;;
洗剤で落ちるようであれば、それはガラスコーティングではありません。
ガラス系とか小さく書いてある商品もあるので気をつけてくださいね(笑)

正直なところ、ワックスを始めようかなと考えています。
例えば、このスイスバックス。
昔からあるロングセラーの高級ワックスです。
ちょっと注目しているのが、PTFEというものですね。
パラフィンというポリマーですが、アルカリなどの成分に比較的強いところが特徴です。
ワックスの弱点を補うという役割ですね。

このカラットなんて、とんでもない値段するので無理ですが・・・
ユートピア、シールドあたりがPTFEも配合されていて、手に届きやすい商品だと思います。
でも、ワックスだろうがガラスだろうが共通して言えることは・・・
あくまで、それを活かすのは下地だということです。
YouTubeでディテイラーさんの動画が増えていますが、どちらのコーティング剤を使っている業者さんでも言うことは同じ。
丁寧な下地があるからこそ、コーティングの性能を最大限に活かすことができるということです。
ろくに磨きもせずに、塗っておしまいなコーティングなら、高いお金出してわざわざお店でやる必要あるのかなと思います・・・
スポンジでちょっと擦るだけなんて、研磨のうちに入りませんからね(^^;;
それを推奨するお店は決まってこう言います・・・
『普段見えないような傷気にします?』とか『気にしていたら乗っていられない』です。
傷がどうこう以前に、コーティングの効果が半減することすら分かっていません(笑)
もちろんその考えに賛同できるならアリだと思いますが・・・
施工するのであれば、良いお店を探してほしいなと本当に思います。
あっ、うちでも良いですよ(笑)
なんて、この手の話題はつい深掘りしてしまうのですが、長く続いてほしいからあえて辛口。
綺麗にすることは純粋に良いことだと思います。
使い捨てじゃないですからね。
綺麗にしておけば大切にするし、結果的に長く乗れるに繋がると思っています(^^)


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